文献詳細
臨床統計
文献概要
1975年の開院当初から2001年までの当科で病理組織学的に診断しえた皮膚悪性腫瘍1,365例を統計学的に検討し,以下の結果を得た.1) 悪性腫瘍総数は,ここ10年で年間50~80人であり,以前よりは増加傾向がみられるが,最近10年間では著変がなかった.2) 腫瘍別では皮膚付属器腫瘍が最近10年間でも増加傾向がみられた.3) 日光露光部発症の皮膚付属器腫瘍が近年増加傾向にあり,一方非日光露光部では差がなかった.4) 日光露光部発症の比率は有棘細胞癌よりむしろ皮膚付属器腫瘍により多かった.以上の結果より,近年日光による発癌が増加傾向にあると考えられた.
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