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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻13号

2004年12月発行

症例報告

マキサカルシトール外用で尋常性乾癬治療中に認めた高カルシウム血症

著者: 中田珠美1 小出まさよ1 脇野修2

所属機関: 1浜松赤十字病院皮膚科 2浜松赤十字病院内科

ページ範囲:P.1129 - P.1132

文献概要

病例1,83歳,男性.腎不全,C型肝炎,肺性心で通院中.74歳頃より,ステロイド外用剤で尋常性乾癬の治療をしている.2002年6月に紅皮症化し,マキサカルシトール軟膏を4g/日で外用を開始したところ,2か月後に血清Ca値が14.8mg/dlと上昇し,腎機能も悪化したため,中止した.症例2,55歳,男性.慢性腎不全で通院中.2001年8月より,四肢の尋常性乾癬に,ステロイド外用治療をしていた.2002年6月,体幹,頭皮に皮疹が拡大し,マキサカルシトール軟膏の外用を開始(2g/日)したが,使用量が徐々に増加し,9月に8g/日になった.10月,血清Ca値が10.4mg/dlと上昇し,2~4g/日に減量したが,12.3mg/dlと高カルシウム血症が悪化し,腎機能も増悪したため,中止した.両症例とも中止後,血清Ca値は下降し,腎機能は改善した.尋常性乾癬患者が腎不全を伴う場合,マキサカルシトール等ビタミンD3製剤で治療する際は高カルシウム血症に注意すべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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