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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

症例報告

顕微鏡的多発血管炎の2例

著者: 浅野聖子1 石橋睦子1 檜垣祐子1 杉山裕子2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学腎臓内科

ページ範囲:P.1150 - P.1153

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症例1,76歳,女性.10か月前より微熱が続き,下腿の浮腫と紫斑が出没するようになった.1か月前より下腿の浮腫が増強し,高度の腎機能障害が判明したため内科に入院し,半月体形成性腎炎と診断された.両下肢には小豆大までの浸潤を触れる紫斑が多発し,皮膚生検にて壊死性血管炎を認めた.症例2,68歳,女性.6年前より間質性肺炎があり,10か月前より下腿に浮腫を生じ紫斑が出没するようになった.精査のため内科入院中,両下腿に大豆大までの紫斑が多発し,皮膚生検にて血管壁の変性と出血を認めた.2例ともMPO-ANCA陽性で顕微鏡的多発血管炎と診断した.皮膚生検組織の蛍光抗体法は陰性,免疫組織化学的には症例1のみ好中球,および血管周囲に好中球エラスターゼの発現を認め,ミエロペルオキシダーゼは症例1,2ともに陽性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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