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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

症例報告

ステロイドパルス療法に抵抗性を示した自己免疫性肝炎合併全身性エリテマトーデスの1例

著者: 村田真希1 平野貴士1 越後岳士1 白崎文朗1 長谷川稔1 稲沖真2 佐藤伸一1 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学 2川崎医科大学皮膚科学

ページ範囲:P.1163 - P.1166

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30歳,女性.日光曝露後,蝶形紅斑,脱毛,耳介・上腕の浸潤性紅斑,手指の腫脹,発熱,倦怠感,関節痛が出現した.上腕皮膚の病理組織学的検査では,液状変性と真皮上層のリンパ球浸潤を認め,蛍光抗体法直接法は陽性であった.臨床検査では,白血球数減少,抗核抗体・抗一本鎖DNA抗体陽性,C3cの減少を認めたが,胸膜炎,心膜炎,腎障害,中枢神経障害等の臓器障害は認めなかった.また,ループスアンチコアグラント陽性,深部静脈血栓症を認め,全身性エリテマトーデスと抗リン脂質抗体症候群の合併と診断した.ステロイドパルス療法にて白血球数や抗一本鎖DNA抗体価,C3c値は次第に改善したが,発熱,入院時は正常であった肝逸脱酵素の上昇,抗平滑筋抗体が認められたため自己免疫性肝炎の合併と診断した.ステロイド治療に抵抗性を示すため,シクロスポリン内服を併用し寛解した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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