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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻2号

2004年02月発行

今月の症例

爪母様ケラチンパターンを有し爪甲様外観を呈した皮角の1例

著者: 江石久美子1 浜崎洋一郎1 片山一朗1

所属機関: 1長崎大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.111 - P.113

文献概要

62歳,男性.2000年6月頃より外傷などの誘因なく,左環指背部PI関節とMP関節間皮膚に爪様角化物が出現した.半年後に一度脱落するも再び同部に同様の角化物が生じてきたため,2001年6月初診となる.初診時皮膚面から垂直に隆起し,爪甲様にややU字型にカーブした高さ約7mmの角化突起物を認めた.下床との癒着はなく可動性は良好だった.臨床像から後天性異所爪と診断し,腱膜直上で切除した.手術時腱膜や骨との癒着は認めなかった.病理組織像はエオジンで淡い染色を示す著明な過角化を伴う角層と顆粒層がない表皮を認め,異所爪と過去報告された所見と類似していたが,基底細胞に異型性を認めたため日光角化症に生じた皮角と診断した.免疫組織染色では病変部表皮は周囲健常表皮と異なりケラチン10陰性,ケラチン17陽性を示し,爪母の染色態度と類似していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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