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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻2号

2004年02月発行

症例報告

慢性膵炎に伴った皮下結節性脂肪壊死症の1例

著者: 行徳英一1 真田聖子1 数田泰治1 高路修1

所属機関: 1県立広島病院皮膚科

ページ範囲:P.153 - P.156

文献概要

74歳,女性の両下腿内側に生じた皮下脂肪壊死症の1例を報告した.臨床的には,同部に紅色から褐色の皮下硬結を認め,軽度の圧痛,熱感を伴っていた.両下肢には静脈瘤がみられた.組織学的には脂肪組織の変性および壊死像を示し,周囲には肉芽組織の形成,真皮では内腔の拡張を示す脈管を認めた.血清アミラーゼ,リパーゼ,トリプシン,エラスターゼΙが高値であり,慢性膵炎の合併が認められ,その治療により皮疹は徐々に軽快した.われわれは自験例の病態は主として慢性膵炎により生じた皮下脂肪壊死であると考えたが,皮疹の部位や静脈瘤,不全交通枝の存在,真皮における血管やリンパ管の拡張などの所見から,慢性的な静脈うっ滞も関与していたものとみなすのが適当と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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