文献詳細
症例報告
文献概要
51歳,男性.約2年前より右眉毛部に結節が出現した.自覚症状がなく放置していたところ,徐々に増大してきたため当科を受診した.初診時,右眉毛部に直径12×12mmの半球状に隆起した表面平滑,弾性硬の皮内結節が存在した.圧痛や自発痛などの自覚症状はなかった.臨床診断として粉瘤や付属器腫瘍などを考え,全摘出術を施行した.組織学的所見は,真皮中層から下層に線維性被膜で囲まれた境界明瞭な腫瘍塊を認め,大小さまざまな管腔構造,索状,島嶼状を示す上皮性成分(一部に角質嚢腫や断頭分泌を認めた)と,粘液腫様構造,脂肪組織から成る間質が混在していた.以上より皮膚混合腫瘍と診断した.自験例では,間質の脂肪細胞が非常に多い点が特異と思われたため,文献的考察を加え報告した.
掲載誌情報