icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

皮疹出現を契機にSLEと診断されたEvans症候群の1例

著者: 武藤潤1 鈴木布衣子1 木花いづみ1 一色郁子2

所属機関: 1平塚市民病院 2平塚市民病院

ページ範囲:P.221 - P.223

文献購入ページに移動
48歳,女性.1970年より他院にてEvans症候群と診断され,ステロイドや免疫抑制剤の内服,脾臓摘出術などで加療されていた.1991年転居に伴い当院に転院しプレドニゾロン(PSL)10mg/日内服から加療されていたが貧血も改善してきたためPSLを漸減・中止としたところ,下腿の浮腫とともに左小指球部を中心に米粒大の浸潤を触れる紅斑が癒合しながら多発性に出現した.また,左肘部には小豆大の皮内結節を3つ認め組織学的に真皮内の膠原線維間にムチンの沈着を認めた.採血にて抗核抗体,抗ds-DNA抗体が陽性.また,心臓超音波検査より心外膜炎の合併を診断した.以上より,SLEと診断しPSL30mgより内服開始としたところ,皮疹は軽快.Evans症候群の報告は皮膚科領域では稀であり貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?