抗真菌薬が有効であった融合性細網状乳頭腫症(papillomatose confluente et réticulée:PCR)の1例を報告する.症例は23歳男性で,5年前から腹部に,3か月前より両前腕に自覚症状を欠く茶褐色調の網状色素斑が出現した.近医にて色素性痒疹を疑われ,5年間ステロイド外用薬などで治療されていたが改善がみられなかった.鏡検上,真菌要素は認めなかった.融合性細網状乳頭腫症,色素性痒疹を疑い生検を行ったところ,組織学的には表皮の軽度肥厚,乳頭腫症,基底層に色素の増加を認め,融合性細網状乳頭腫症と診断した.抗真菌薬外用にて2週間後には皮疹はほぼ消退した.