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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

ヒロヘリアオイラガによる皮膚炎の1例

著者: 岡毅13 米田豊2 小野友道3

所属機関: 1おか医院 2久留米大学医学部寄生虫学講座 3熊本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.257 - P.259

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62歳,男性.初診前日(7月16日)の夕方,自宅の梅の木の手入れ中に右側背部,右上腕に電気に触れたような激痛を感じた.激痛を感じた部位には当初皮疹は認めなかったが,しばらくして発赤が出現した.その時点で患者は梅の木の枝に2cm大の毛虫を確認している.初診時,右肘窩部,右側背部にそう痒を伴う手拳大で境界が明瞭な浮腫状紅斑を認める.肉眼,ルーペにて刺し口は認めず,毒棘も発見できなかった.患者が持参した虫体は久留米大学医学部寄生虫学講座にて同種と鑑定された.受傷時の状況,臨床所見,虫体の鑑定結果よりヒロヘリアオイラガによる刺傷と診断した.生理食塩水にて患部を洗浄後,酢酸ジフロラゾン軟膏を外用(2回/日).7月20日に色素沈着を残さず皮疹は消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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