原著
Extensive pure venous malformation―International Society for the Study of Vascular Anomaliesの分類により診断した症例
著者:
岸部麻里1
中根宏1
高橋英俊1
山本明美1
橋本喜夫1
飯塚一1
前田龍智2
高塚紀子3
所属機関:
1旭川医科大学皮膚科学教室
2旭川医科大学皮膚科学教室整形外科
3砂川市立病院皮膚科
ページ範囲:P.300 - P.304
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6歳,女児.出生時から右大腿に青色斑が存在し,その後大腿痛による歩行制限,右膝の腫脹と疼痛が出現した.初診時,右大腿に透見性のある青紫色の腫瘍を認め,右膝上および右下腿外側に皮下腫瘤を触知した.MRI検査T2強調像で右大腿部皮下,右中間広筋内,右下腿外側の皮下から脛骨周囲にびまん性の腫瘍を認めた.病理組織学的に,真皮から筋肉内にかけて不規則に拡張した血管の増生を認めた.以上の所見から,International Society for the Study of Vascular Anomalies (ISSVA, 1996)の分類に従い,自験例をextensive pure venous malformationと診断した.腫瘍切除術により,疼痛の緩和を認めた.