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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

今月の症例

片側下肢の浮腫から発見された進行期前立腺癌

著者: 平塚志保1 早川和人1 塩原哲夫1 野田治久2 東原英二2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.305 - P.308

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75歳,男性.左下肢の浮腫を主訴として来院,初診時左下肢は全体的に腫脹し,軽度の発赤,熱感を伴っていた.抗生剤投与にて炎症症状は消失したが,浮腫は残存した,MRアンギオグラフィにて深部静脈血栓症は否定され,CTで左優位に骨盤・腹腔内リンパ節の著明な腫大を認めた.諸検査より左葉に原発した前立腺癌からのリンパ節転移と判明,これによる続発性リンパ浮腫と診断した.内分泌療法開始6か月後の現在,左下肢の浮腫は軽減し,CTでも骨盤・腹腔内リンパ節の著明な縮小が確認された.片側下肢の浮腫で来院する症例に対しては,経過の聴取,理学的診察に加え,適切な画像診断を迅速に進めることが重要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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