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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

症例報告

馬刺によると思われるマンソン孤虫症の1例

著者: 渡邉将也1 国井隆英1 田上八朗1 菅谷博子2 松田信治2 樗木俊聡2

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野 2秋田大学医学部病理病態学講座生体防御学分野

ページ範囲:P.343 - P.346

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59歳,女性.初診の約1か月前に右大腿部の皮下腫瘤に気付くが,特に自覚症状がなかったため放置していた.腫瘤に移動性はなかったが,徐々に硬化してきたため来院した.初診時,右大腿部に比較的境界のはっきりした2.6×2.4cm大の弾性硬の皮下腫瘤を認めた.同部の生検を施行中に虫体を認め,完全な形の虫体を1匹摘出した.虫体は秋田大学医学部寄生虫学教室で,マンソン裂頭条虫のプレロセルコイドと同定されたので,マンソン孤虫症と診断した.感染経路としては,第二中間宿主であった馬の刺身を過去に繰り返し食べているうち感染した可能性が考えられた.患者血清を用いたdot-ELISA法では当初,マンソン裂頭条虫のプレロセルコイド抗原に陽性を示したが,摘出6か月後には抗体価は明らかに低下し,診断および経過観察に有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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