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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻4号

2004年04月発行

症例報告

糖尿病患者に生じたepithelioma cuniculatumの1例

著者: 山上淳1 田中京子1 藤本篤嗣1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡県立清水病院

ページ範囲:P.370 - P.372

文献概要

63歳,男性.8年前の外傷を機に左踵に潰瘍を生じ,各種治療に抵抗性であった.臨床的に径2cmの潰瘍と周囲の角化性局面を認め,中央部の潰瘍と連続して洞穴状の瘻孔が多数形成されていた.組織学的に著明な過角化と乳頭状の表皮肥厚を認めたが,基底層は保たれており,真皮への浸潤は認めなかった.基底層に細胞分裂像が散見されたが,構成する細胞の異型性は明らかでなかった.epithelioma cuniculatumと診断し,1cm離して拡大切除を行った.一般に本症はverrucous carcinomaの一型とされるが,自験例では有棘細胞癌の絶好の発生母地になりうる増殖性病変として位置付けるのが適当と思われ,本症を幅広い概念をもつものととらえた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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