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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻4号

2004年04月発行

症例報告

結節性紅斑様皮疹を呈した成人T細胞性白血病・リンパ腫の1例

著者: 延山嘉眞1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.376 - P.379

文献概要

48歳,女性.両下腿に浸潤を触れる圧痛,自発痛のある結節性紅斑様皮疹がみられた.末梢血中異型リンパ球が9%,末梢血のサザンブロット法により,human T-lymphtropic virus typeⅠのプロウイルスDNAのモノクローナルな取り込みを証明した.胸水がみられ急性型成人T細胞性白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma:ATLL)の診断基準を満たしていたが,7か月間明らかな進行はみられなかった.下腿の皮疹には異型リンパ球の浸潤がみられ,PCR法によりHTLV-ⅠのプロウイルスDNAが陽性であることから腫瘍細胞の皮膚浸潤によるものと思われた.ATLLによる皮疹が結節や腫瘤でなく浸潤のある紅斑である場合は,皮膚型ATLLと同様に,急性型であっても自験例のように進行が遅いこともあると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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