icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 1.最近話題の皮膚疾患

Hydroxyureaによる皮膚症状

著者: 吉田和恵1 齋藤昌孝1 天谷雅行1 田中勝1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.20 - P.23

文献購入ページに移動
Hydroxyurea(HU)はDNA合成を阻害する代謝拮抗剤であり,高い奏効率に加えて他の抗癌剤と比べ重篤な副作用が少ないため,骨髄増殖性疾患に広く用いられている.HUの一般的な副作用としては骨髄抑制が有名であるが,長期投与により10~35%に皮膚症状が認められるとされる1).主な皮膚症状としては,皮膚の乾燥,皮膚萎縮,脱毛,粘膜皮膚および爪甲の色素沈着,扁平苔癬,皮膚潰瘍,手指関節の紅斑などが報告されている.HUによる皮膚症状はいずれもHUを比較的長期投与した患者に認められ,HU中止により軽快傾向を示すが難治である.これらの皮膚症状には特異的な所見が乏しく,見逃されていることも多いと考えられる.HUを長期投与されている患者に難治な皮膚症状をみた場合,HUの関与を疑うことが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?