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特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 1.最近話題の皮膚疾患
皮膚サイトメガロウイルス性潰瘍
著者: 岸本三郎1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚病態制御学
ページ範囲:P.24 - P.27
文献購入ページに移動サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染のうち,特にAIDS,臓器移植,長期の化学療法やステロイド療法を受け,免疫不全状態の患者に合併するCMV特異疹である皮膚サイトメガロウイルス性潰瘍を概説した.本症はCMV感染の初発症状であることが多く,遅れて汎発性感染を起こす可能性が高いため,通常の病理組織検査,CMV抗体を用いた免疫組織検査およびCMV抗原血症検査を早期に行うとともに,抗CMV剤による先行療法の必要性を強調した.また,皮膚サイトメガロウイルス性潰瘍の形成機序を考察し,創部での骨髄由来のCD34+前駆細胞からのproinflammatory cytokineによるCMVの再活性化により,皮膚サイトメガロウイルス性潰瘍部がCMV抗原血症を引き起こす源である可能性を述べた.
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