文献詳細
特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004
1.最近話題の皮膚疾患
文献概要
Gefitinib(IRESSA(R))は上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)で,肺癌の治療薬として2002年7月に承認された.臨床試験やこれまでの報告では,ざ瘡や皮膚乾燥,爪囲炎などの皮膚副作用が指摘されている.当科でも9例のgefitinibによると思われる皮膚症状を経験した.近隣の施設にgefitinibによる皮膚副作用についてのアンケートを行い9施設から回答を得た.全体で38例の皮膚副作用例があった.症例は女性に多く,発疹の臨床はざ瘡様発疹が最も多く,脂漏性皮膚炎,乾皮症,爪囲炎がそれに続いた.発疹出現までの期間は2週間以内が多かった.gefitinibによる皮膚副作用の発生機序はまだ明確ではないが,他のEGFRを標的とした治療でも同様の副作用があることから,その薬理作用自体によると考えられている.
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