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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 2.皮膚疾患の病態

日本人の白皮症の解析

著者: 鈴木民夫1 稲垣克彦1 富田靖1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.34 - P.38

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眼皮膚白皮症(oculocutaneous albinism:OCA)は,主に眼と皮膚の色素細胞内におけるメラニン色素合成の低下あるいは消失により,皮膚・毛髪・眼の色素が欠乏または欠損する遺伝的(通常は常染色体劣性遺伝)疾患群である.われわれは日本人OCA患者75例を遺伝子診断によりサブタイプに分類した.その結果,OCA1型(チロシナーゼ関連型):35例(47%),OCA2型(P遺伝子関連型):6例(8%),OCA4型(MATP遺伝子関連型):18例(24%),Hermansky-Pudlak症候群1型:1例(1%)であった.OCA4型は,現在までのところトルコ人1例およびドイツ人5例の報告があるのみであり,黒人にはその頻度が少ないようだが,日本人にチロシナーゼ陽性型OCAとしては,最も頻度の高いタイプであった.どのタイプも白髪,金髪さらには淡褐色の髪を持つ患者を含み,臨床症状から患者のサブタイプを推定することは難しかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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