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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 2.皮膚疾患の病態

コリン性蕁麻疹における汗アレルギーと自己免疫の関与

著者: 堀川達弥1 福永淳1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科皮膚科

ページ範囲:P.39 - P.43

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コリン性蕁麻疹は発汗時に出現する点状の膨疹を特徴とする蕁麻疹であるが,その発症には発汗時に末梢神経より分泌されるアセチルコリンが深く関連していると考えられてきた.近年になりコリン性蕁麻疹では汗アレルギーの存在があることが発見され,汗の排出障害などに伴って汗管より漏出した汗によって肥満細胞からの脱顆粒が起こり,蕁麻疹が発症するのではないかという仮説が提示された.われわれも汗の皮内反応を行い,コリン性蕁麻疹の約半数には強い汗アレルギーがみられることを確認した.このような症例では好塩基球からの汗による脱顆粒は著明で,アセチルコリンの皮内注射にて衛星膨疹がみられることから,汗管から漏出した汗によって肥満細胞の脱顆粒が起こって膨疹を形成するという仮説を支持するものであった.一方で,コリン性蕁麻疹患者の残りの半数では汗アレルギーは弱く,自己血清の皮内反応が陽性となり,自己免疫性蕁麻疹同様に自己免疫が関与すると考えられるサブタイプが存在する.このようにコリン性蕁麻疹には多様性があり,単一ではないと思われる.コリン性蕁麻疹のそれぞれのサブタイプについて臨床的および検査上の特徴について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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