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特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 2.皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎の動物モデル
著者: 島田眞路1
所属機関: 1山梨大学大学院医学工学総合研究部皮膚科学
ページ範囲:P.60 - P.63
文献購入ページに移動アトピー性皮膚炎はTh2サイトカイン産生やIgE血症に伴って発症する皮膚炎であり,この条件を満たす動物モデルがいくつかある.本稿ではマウスモデルに絞り解説した.
第一は自然発症モデルであり,Nc/Ngaマウスに代表されるものである.このマウスは上記の条件をすべて揃えているが,興味深いのはSTAT6ノックアウトマウスでも症状が変化しない点である.STAT6ノックアウトマウスではTh2サイトカインは消失し,IgEも低値にもかかわらず皮疹は発症するのである.第二のモデルは塩原モデルに代表される抗原反復塗布マウスモデルである.喘息を伴うGehaモデル,食物抗原で皮膚炎を起こすSampsonモデルを紹介した.Th2サイトカイン過剰発現モデルはIL-4のChanらのモデル,IL-18の水谷モデルを紹介した.最後にIgEトランスジェニックマウスによる皮膚炎モデルを紹介した.IgEとAD発症の関連についてはまだまだ研究が必要である点を強調した.
第一は自然発症モデルであり,Nc/Ngaマウスに代表されるものである.このマウスは上記の条件をすべて揃えているが,興味深いのはSTAT6ノックアウトマウスでも症状が変化しない点である.STAT6ノックアウトマウスではTh2サイトカインは消失し,IgEも低値にもかかわらず皮疹は発症するのである.第二のモデルは塩原モデルに代表される抗原反復塗布マウスモデルである.喘息を伴うGehaモデル,食物抗原で皮膚炎を起こすSampsonモデルを紹介した.Th2サイトカイン過剰発現モデルはIL-4のChanらのモデル,IL-18の水谷モデルを紹介した.最後にIgEトランスジェニックマウスによる皮膚炎モデルを紹介した.IgEとAD発症の関連についてはまだまだ研究が必要である点を強調した.
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