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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 3.新しい検査法と診断法

慢性蕁麻疹の自己血清皮内テスト

著者: 秀道広1 亀好良一1

所属機関: 1広島大学大学院皮膚科学

ページ範囲:P.66 - P.71

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明らかな誘因なく皮疹の出没を繰り返す慢性蕁麻疹には,自己血清を皮内注射することにより紅斑と膨疹を生じるものがある.自己血清による皮内反応では滅菌ガラス真空採血管を用いて血清分離し,そのうちの50μlを皮内注射して30分後の紅斑と膨疹の大きさを測定する.判定の方法としては膨疹の直径を評価の対象にする報告が多いが,われわれは紅斑の直径を生理食塩水およびヒスタミンにより生じた反応の大きさと比較する方法を採用している.なお,本来なら皮内テスト実施2日以上前よりH1拮抗薬の投与を中止する必要があるが,陽性対照(ヒスタミン)および陰性対照(生理食塩水)をとれば,ヒスタミンH1受容体拮抗薬内服中でも自己血清に対する皮膚の反応性は評価することができる.最近,コリン性蕁麻疹,アスピリン(非ステロイド系消炎鎮痛薬)不耐症で自己血清の皮内注射に反応する例があることが報告されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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