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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 4.皮膚疾患治療のポイント

全身型金属アレルギーにより惹起される汗疱状湿疹に対する金属除去療法―金属制限食および歯科金属除去について

著者: 足立厚子1 堀川達弥2

所属機関: 1兵庫県立加古川病院皮膚科 2神戸大学大学院医学系研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.107 - P.112

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金属アレルギーには,接触アレルギー以外に食品中や歯科金属などに含まれる微量金属が全身的に吸収されて皮疹が惹起される全身型金属アレルギーがある.さまざまな形態の発疹がみられるが,最も頻度が多いのは汗疱状湿疹である.診断にはパッチテスト,および可能な場合,金属内服テストを併用して金属の関与の有無および金属アレルゲンを検索する.治療はその金属との接触の回避を徹底し,軽快しない場合,該当金属を含有する食品の摂取制限もしくは該当金属を含有する歯科金属の除去を行う.ただしパッチテスト陽性すなわち全身型金属アレルギーではないこと,厳格な金属制限食は微量元素欠乏をきたすことがあるので避けること,無効な場合速やかに金属制限食を中止することなど注意が必要である.ミノサイクリンやアンタビュース内服による金属のキレートやクロモグリク酸ナトリウム内服による腸管での吸収抑制も有効な場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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