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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004 4.皮膚疾患治療のポイント

Eccrine hidrocystomaの1%硫酸アトロピン眼軟膏外用の試み

著者: 村田朋子1 神田憲子1 石黒直子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.113 - P.117

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Eccrine hidrocystomaの3例に1%硫酸アトロピン眼軟膏の外用を試みたところ,良好な結果を得た.症例は60歳,57歳,79歳のいずれも女性.数年前より両眼囲,頬部,口囲に夏季,発汗時に隆起し,寒冷時に軽快する多発性の小結節を認めるようになった.病理組織学的に真皮浅層から中層に嚢腫を認めた.嚢腫壁は2層から数層の扁平ないし立方形の上皮細胞から構成されていた.以上よりeccrine hidrocystomaと診断し,片側顔面の結節部に1%硫酸アトロピン眼軟膏の1日2回の外用を開始したところ,外用側のみ3~4日後には縮小,扁平化を認め,外用の継続により軽快した状態を維持でき,患者の高い満足度を得た.1例で誤って眼内に軟膏が入り散瞳を認めたが,外用中止のみで2~3日で軽快した.眼科受診でも眼圧の上昇はなかった.そのほか,特に問題なく,患者の外観に対する心理的ストレスの緩和という点で今後考慮すべき治療法と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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