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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

Derm. 2004

大学シンドロームX

著者: 橋本喜夫1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科

ページ範囲:P.32 - P.32

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インスリン抵抗性を基盤として高血圧,肥満,糖尿病,高脂血症といった個々の症状は軽度でもそれが集まると「死の四重奏」といわれる動脈硬化危険因子が起こる病態を「シンドロームX」と呼ぶそうである.要するに個々のパンチはジャブでもそれが重なるとKOパンチにつながるという疾患概念でもある.

 大学病院の生活にも「死の四重奏」がある.これを「大学シンドロームX」と名付けよう.たとえば,診療,研究,教育,会議(学会)であろうか.前二つは以前からあったことで,医者はそれが仕事であるので仕方がない.問題は教育である.一貫性のない,そして私のように性善説を信じていない日本人には向いているとは思えない新医学教育カリキュラムへの一方的変更が基盤にある.そしてその新カリキュラムに奪われる時間は誰も補填してはくれないし,評価もしてくれない.私は当教室でも二番目くらいにイエスマンなので,文句を言わずに行ってはいるが,態度が悪い学生や,医者以外ではとても使いものにならない医学生がくるとこの国の行く末を憂うとともにどっと疲れがでる.それから会議.知らないうちに○×委員会に入らされている.いずれにしても必要のない会議が多すぎる.お役所様の意向で,何でも会議を開催したという事実が必要らしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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