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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻5号

2004年04月発行

文献概要

Derm. 2004

能登の皮膚疾患

著者: 田邉洋1

所属機関: 1金沢医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.139 - P.139

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落ち着きのない性格が災いし,奉職してからあちこちを渡り歩きました.各地方の風習,食習,生活習慣を体験しましたが,皮膚疾患にも地方色があり,いわばご当地皮膚病とも言うべき疾患がそれぞれの地にありました.今回は石川県で見聞きした皮膚疾患のお話です.

 ①あまめ

 毎年1月2日に能登の門前町に「あまめはげ」という行事があるのを御存知でしょうか.秋田県男鹿地方の「なまはげ」は全国区で有名ですが,その能登版ともいえます.鬼面や天狗面をつけた有志が各家庭を訪問し,「怠け者はおらんかー」と精勤奨励と家内安全を祈る奇習です.その「あまめ」とはerythema ab igneのことで,「あまめはげ」とは北国の冬に暖房具に当たり過ぎて発生する「ひだこ」を鬼が剥離し(あまめを剥ぐ=あまめはげ),不精者を戒めるのが原義です.本家「なまはげ」は「なもみ剥げ」が訛ったもので,「なもみ」も「ひだこ」を指します.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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