icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻6号

2004年05月発行

症例報告

HIV感染者にみられた好酸球性膿疱性毛囊炎―皮膚および口腔粘膜に褐色色素沈着を伴った1例

著者: 戸田淳1 梅本尚可1 加倉井真樹2 西田淳二3 出光俊郎1 中川秀己2

所属機関: 1自治医科大学付属大宮医療センター皮膚科 2自治医科大学皮膚科学教室 3自治医科大学付属大宮医療センター血液科

ページ範囲:P.434 - P.437

文献概要

54歳,男性.1997年9月,抗HIV抗体陽性を指摘された.2001年7月13日より当院血液科にて抗ウイルス剤(サニルブジン,ラミブジン,エファビレンツ)の内服を開始した.同年8月顔面,頸部,および体幹に軽度の痒みを伴う皮疹が出現したため来院した.初診時,前額部,鼻背,頬部を中心に紅褐色調の紅斑があり,その上に半米粒大までの紅色丘疹,膿疱がみられ,頸部,背部では,一部,膿疱を混在する米粒大から大豆大の紅色丘疹が多発散在していた.顔面,背部,手指,爪甲,口腔粘膜,舌にも褐色から黒褐色色素沈着を認めた.末梢リンパ球のCD4/CD8比は0.47,血中抗HIV抗体陽性.組織像は毛囊周囲性に表皮から皮下組織に及ぶリンパ球,好酸球を中心とする稠密な細胞浸潤と毛囊破壊像,毛囊内膿瘍を認めた.塩酸ミノサイクリン,塩酸アゼラスチン内服により改善したが色素沈着の増強が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら