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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻6号

2004年05月発行

症例報告

外的刺激を受ける右手に著明な索状石灰沈着がみられたCREST症候群の1例

著者: 森本亜玲1 佐藤友隆1 五味博子1 松尾聿朗1

所属機関: 1帝京大学医学部付属市原病院皮膚科

ページ範囲:P.448 - P.450

文献概要

51歳,女性.42歳時,全身倦怠感,頭部の脱毛,爪の変形を主訴に受診した.1年半後,顔面と胸部に光沢ある色素沈着を伴った皮膚硬化局面,頭部のびまん性脱毛,手指の浮腫性紅斑,爪上皮の延長と点状出血,Raynaud現象,舌小帯の短縮などを認めたため,精査入院した.入院時,抗核抗体陽性,抗セントロメア抗体は陰性.前腕伸側の皮膚病理組織で膠原線維の増生を認め,臨床像と検査所見より全身性強皮症早期例と診断した.その後,プロスタグランジンE1製剤静注と血流改善剤で皮膚硬化症状は改善傾向を示したが,5年後皮下石灰沈着が出現した.7年後には食道造影で蠕動運動の低下,皮膚の毛細血管拡張が出現し,CREST症候群と診断した.自験例は,右手の,職業上頻繁に鋏が当たる部位に一致して著明な索状石灰沈着を認め,そのころより皮膚硬化が軽快した特徴ある経過を示したCREST症候群と考え,報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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