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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻7号

2004年06月発行

文献概要

症例報告

食道癌と合併したSweet病の1例

著者: 中須一郎1 比留間政太郎1 須賀康1 池田志斈1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.522 - P.525

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66歳,男性.約9か月前から頸部,上胸部,上腕部を中心に,出没を繰り返す紅斑があり,1か月前から発熱を伴うようになったため当院を受診した.初診時では,母指頭大の圧痛を伴う滲出性紅斑が多発してみられ,39℃台の発熱を認めた.血液検査で中等度貧血,CRPの上昇が認められた.また組織学的には真皮全層にわたりリンパ球,好中球を主とする炎症性細胞の浸潤を認めた.以上の所見よりSweet病と診断した.皮疹はプレドニゾロン30mg/日の内服にて改善したが,入院精査中に食道癌が発見されたため,切除術を施行した.以後,ステロイドの暫時減量を行っているが,現在までSweet病・食道癌ともに再発は認めない.Sweet病と固形腫瘍の合併は稀であり,われわれの調べえた限り食道癌の合併例は自験例が世界でも4例目である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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