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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻7号

2004年06月発行

文献概要

症例報告

シクロスポリンによる膿ほう性乾癬治療中に紅色局面で診断された成人T細胞リンパ腫の1例

著者: 幸田公人1 竹内常道1 新村眞人2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学付属青戸病院皮膚科 2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.569 - P.571

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67歳,女性.沖縄県出身.初診の3日前に臨床像,病理組織像とも膿ほう性乾癬を思わせる皮疹が出現した.約2週間のシクロスポリン(ネオーラル(R))の内服による皮疹の消退後,新たに紅色局面が認められた.紅色局面の浸潤細胞はCD4陽性,CD8陰性,CD20陰性,CD25陽性の異型リンパ球よりなり,HTLV-1プロウイルスDNAの単クローン性の組込みがみられたことより成人T細胞リンパ腫と診断された.HTLV-1キャリアであった自験例は初診時すでにpre-ATLの状態であったため,わずか3週間のシクロスポリンの投与によってATLを発症したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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