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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻8号

2004年07月発行

文献概要

症例報告

熱傷はん痕部に生じた皮膚サルコイドーシス

著者: 太田馨1 水野可魚1 岡本祐之1 堀尾武1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科

ページ範囲:P.628 - P.630

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70歳,女性.1992年天ぷら油により両前腕伸側に熱傷を受け,その後次第に同部位に不整形で中央部がやや萎縮し浸潤を触れる紅褐色の皮疹が現われた.縦隔リンパ節腫脹と肺野に小結節が認められ,血清ACE,血清リゾチームは上昇し,ツベルクリン反応は陰性であった.皮膚病変には非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められたが,偏光顕微鏡にて異物が存在しなかったことおよび皮疹の性状から局面型の皮膚サルコイドと診断した.先行する皮膚病変に皮膚サルコイドが出現するのは,熱傷はん痕部の症例以外に,掻破後の報告や,帯状ほう疹後のはん痕部位,水痘後のはん痕などが報告されている.発症機序は不明であるが,Köbner現象により生じたものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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