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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻8号

2004年07月発行

症例報告

抗Mi-2抗体陽性皮膚筋炎の1例

著者: 小村一浩1 佐藤伸一1 濱口儒人1 森俊典1 藤井秀孝1 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.643 - P.645

文献概要

36歳,男性.3か月前より倦怠感と顔面,体幹,四肢に紅斑が出現した.鼻翼に沿って分布する顔面紅斑,掻破性皮膚炎様の体幹の紅斑,爪上皮点状出血を伴う爪囲紅斑と筋原性酵素の上昇に加え抗Mi-2抗体が陽性であったことより,自験例を皮膚筋炎と診断した.抗Mi-2抗体は日本人の皮膚筋炎患者において頻度は少ないが特異的な自己抗体として知られる.その臨床像は,特徴的な皮膚症状を呈し,ステロイド内服が奏効し, 間質性肺炎の合併頻度は少ないとされる.一方,急速進行性の間質性肺炎を合併する皮膚筋炎症例は特徴的な皮膚症状および軽度の筋症状で初発することが多いため,病初期には軽症である抗Mi-2抗体陽性例と区別することが難しい.そのため,自験例のように特徴的な皮膚症状を呈し,筋症状が軽微な症例では,抗Mi-2抗体の検索が予後を推定するうえで重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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