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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻8号

2004年07月発行

症例報告

肛囲にPaget現象を呈した肛門管癌の1例

著者: 西村英恵1 金子高英1 水木大介1 原田研1 今淳1 花田勝美1 伊藤卓2 四ツ柳高敏3 鎌田義正4

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室 2弘前大学医学部第二外科学教室 3弘前大学医学部形成外科学教室 4弘前大学医学部病理部

ページ範囲:P.674 - P.677

文献概要

76歳,女性.初診の1年前より肛囲にそう痒を伴う皮疹が出現し,近医にて外用剤で治療されていたが徐々に拡大した.当科初診時,肛門部に同心円状,直径6cmの境界不明瞭な浸潤性紅斑を認めた.一部にびらん,結節性腫瘤を伴っていた.初診時の生検にて乳房外Paget病と診断した.肛門管上皮内へのPaget様細胞の増生を認めたため,腹会陰式直腸切断術,皮膚悪性腫瘍切除術を施行した.肛門管部で移行上皮から腺上皮境界部に達する腫瘍を認めた.切除組織の免疫組織化学的染色にてgross cystic disease fluid protein 15 (GCDFP15)陰性,cytokeratin 20(CK20)陽性で内臓癌由来を示唆した.明らかな下床癌は確認できなかったが肛門管癌の表皮内浸潤に伴ったPaget現象と考えた.術後,低用量のfluorouracil (5-FU),cisplatin (CDDP)療法(low dose FP療法)を3クール施行した.5か月後の現在,再発,転移所見はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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