icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻9号

2004年08月発行

文献概要

症例報告

腸管壊死を伴ったアナフィラクトイド紫斑病の1例

著者: 亀井和可奈1 周圓1 米田和史1 山田鉄也2 曹謙次3 佐野文4 尾関信彦5

所属機関: 1岐阜市民病院皮膚科 2岐阜市民病院中央検査部 3岐阜市民病院第1内科 4岐阜市民病院外科 5小関皮膚科泌尿器科医院

ページ範囲:P.714 - P.717

文献購入ページに移動
28歳,男性.2002年6月10日感冒症状あり.9日後,両下腿に紅斑出現し,次第に紫斑や血ほうを生じてきた.13日後,腹痛が出現した.皮膚生検でleukocytoclastic vasculitisの像があった.腹部症状はさらに増強,汎発性腹膜炎の診断で緊急開腹手術を施行され,回腸末端に腸管の壊死を認めた.切除された腸管の組織学的所見では,皮膚と同様にleukocytoclastic vasculitisの像を認め,血管内皮にIgAの沈着がみられた.メチルプレドニゾロン1,000mg/日のパルス療法を施行,以後プレドニゾロン60mg/日投与し漸減した.腹部症状,全身状態は改善したが,尿所見は悪化,紫斑病性腎炎を併発した.アナフィラクトイド紫斑病は,一般的には予後良好であるが,全身性の疾患であることを再認識し,他科と連携して治療に当たる必要性があることを痛切に感じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?