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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻9号

2004年08月発行

文献概要

症例報告

組織学的に早期に診断しえた敗血疹の1例

著者: 石川里子1 堀江正樹1 大塚俊1 大塚勤1 山崎雙次1 橋壁道雄2

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科 2上都賀総合病院皮膚科

ページ範囲:P.745 - P.747

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47歳,男性.2002年8月11日頃,38℃台の発熱とともに右大腿部に有痛性の浮腫性紅斑が出現した.徐々に増大潰瘍化したため,当科を紹介され,精査加療目的で入院した.入院時約40℃台の発熱を認め,CRP28.8mg/dl,白血球数44,100×107/lであった.血液内科にて白血病は否定され,また,BUN43mg/dl,Cre4.3mg/dlと腎不全が認められた.皮膚生検の結果,真皮深層まで多数の好中球浸潤を認め,敗血疹と診断された.抗生物質,γ-グロブリンの投与により解熱,皮膚腫瘤は縮小,腎機能も改善し,第21病日に退院となった.自験例は迅速な組織学的検討により敗血疹の診断に至り,早期の加療により救命しえた症例と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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