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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻9号

2004年08月発行

文献概要

症例報告

再感染時にプロゾーン現象を認めた第2期梅毒の1例

著者: 山上淳1 藤本篤嗣1 小菅治彦1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡県立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.748 - P.750

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65歳,男性.1996年,性風俗店での性交渉後,梅毒に罹患しペニシリン内服で治癒した.2001年2月,前回と同じ性風俗店で性交渉あり.同年5月,外陰部の皮疹を主訴に当科を受診.陰茎背面に,辺縁が堤防状に隆起する径3cm大の環状紅色局面を認めた.軀幹四肢には,わずかに浸潤を触れる径5mm~2cm大の淡紅色紅斑が散在性に多発していた.病理組織学的に真皮浅層部のリンパ球,組織球,形質細胞を中心とした稠密な細胞浸潤を認めた.RPR1倍,TPHA5,120倍と乖離を認めたため希釈血清で再検するとRPRは陽性となり,プロゾーン現象による偽陰性と判断し,再感染梅毒と診断した.アモキシシリン内服で治癒.自験例では再感染に伴って抗体産生にブースター効果が生じ,プロゾーン現象がみられたと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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