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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻9号

2004年08月発行

文献概要

症例報告

悪性リンパ腫患者に生じた壊疽性膿瘡の成人例

著者: 大沢真澄1 梅本尚可1 戸田淳1 出光俊郎1 西田淳二2

所属機関: 1自治医科大学付属大宮医療センター皮膚科 2自治医科大学付属大宮医療センター血液内科

ページ範囲:P.757 - P.759

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54歳,男性.悪性リンパ腫で放射線治療中,発熱とともに左下腿に水ほうと出血を伴った紅斑が出現した.水ほう蓋の下には深い潰瘍がみられ,水ほう内容の細菌培養ではPseudomonas aeruginosaが分離された.動脈血培養ではPseudomonas aeruginosaおよびEscherichia coliが検出され,敗血症を併発した壊疽性膿瘡と診断した.さらに陰嚢にも黒色壊死性痂皮を被る小潰瘍が多発し,患者は下腿の皮疹発生から4週間後に悪性リンパ腫の全身転移で死亡した.皮膚科領域における緑膿菌による壊疽性膿瘡の成人報告例は少ないが,エイズの流行や強力な癌化学療法の進歩とともに,今後増加すると考えられるため,本疾患に対する再認識が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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