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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

タクロリムス外用の関与が考えられた下口唇放線菌症の1例

著者: 藤田靖幸1 横田浩一1 清水宏1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.17 - P.19

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要約 64歳,男性.初診の5か月前から下口唇に出血・びらんを認め,生検にて扁平苔癬と診断された.タクロリムス外用にて改善傾向を示していたが,生検2か月後から同部位に丘疹が出現,緩徐な拡大傾向を示した.組織所見では粘膜固有層の著明な炎症細胞浸潤と粘膜成分の混入,および縫合糸の残存を認めた.また明らかな棍棒状突起を伴う好塩基性塊状物質(sulfur granule)が認められた.パラフィン切片からsemi-nested PCR法にてActinomyces israeliiに特異的なribosomal RNA遺伝子を証明した.以上より,放線菌症と診断した.口唇生検後に本症を生じた報告はなく,発症にはタクロリムス外用の関与が推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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