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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

食物依存性運動誘発アナフィラキシーに口腔アレルギー症候群を合併した1例

著者: 永井彩子1 加藤雪彦1 斎藤万寿吉1 坪井良治1 古賀道之2

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室 2古賀皮膚科

ページ範囲:P.31 - P.33

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要約 32歳,男性.食後,歩行中に呼吸苦,血圧低下を伴う膨疹が全身に出現し,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise induced anaphylaxis:FDEIA)を疑い,被疑食品である菓子パン,およびその主成分である小麦,砂糖,バターをおのおの単独もしくは組み合わせて摂取し,運動負荷試験を施行して陽性の所見を得た.また,メロン,スイカを摂取後,口腔,咽頭に違和感があり,果汁によるプリック・プリックテストが陽性のため,口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)と診断した.FDEIAとOASの合併例は現在まで報告がなく,両疾患は同じⅠ型アレルギー反応であるが,吸収経路,責任抗原の蛋白分子量の大きさが違うことにより発症機序,発症様式が異なると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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