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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

両側大腿四頭筋腱断裂を伴った持久性隆起性紅斑の1例

著者: 原藤玲1 森本亜玲1 山本奈緒1 畑康樹1 野本聡2

所属機関: 1済生会神奈川県病院皮膚科 2済生会神奈川県病院リウマチ科

ページ範囲:P.38 - P.41

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要約 24歳,女性.10代のころより手背に皮疹が出現し,次第に手指,肘頭,臀部へ拡大した.初診時,同部に粟粒大から大豆大までの紅色丘疹,小結節,痂皮を付着する瘢痕性局面を認めた.臨床,組織は持久性隆起性紅斑に典型的と考えられたが,両側大腿四頭筋腱断裂を合併している点が特異であった.若年で大腿四頭筋腱断裂を起こすことは稀で,さらに両膝ともに腱の膝蓋骨付着部という,関節リウマチや糖尿病など基礎疾患を有する患者で多くみられる部位での損傷であった.自験例は持久性隆起性紅斑以外の基礎疾患はなく,本症による膝関節の炎症が腱の脆弱化をきたしたのではないかと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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