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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

二分脊椎による足穿孔症

著者: 濱田理恵1 清家正博1 小玉肇1 溝渕弘夫2

所属機関: 1高知大学医学部皮膚機能病態学教室 2高知大学運動機能学教室

ページ範囲:P.48 - P.50

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要約 24歳,男性.出生時に腰椎の閉鎖不全を認め,腰椎縫合術を受けたが軽度の水頭症,膀胱直腸障害と両足の内反による歩行障害を残した.21歳時,右踵に排膿を伴う角質肥厚があるのに気付いたが難治性であった.角質肥厚部をデブリードマンすると,踵骨骨膜にまで達する潰瘍を形成していた.同部はX線,MRIで骨棘形成と骨壊死を伴う骨髄炎を合併していた.潰瘍部の切除,骨棘の除去と踵骨壊死部のデブリードマン後,腸骨からの骨移植を行った.現在まで潰瘍の再発はみられていない.足穿孔症の原因としては糖尿病性ニューロパチーが最多であるが,自験例は二分脊椎による下肢の知覚運動障害が原因であった.長年の歩行障害で生じた骨棘が表皮を圧迫して潰瘍を生じ,さらに同部からの感染で骨髄炎を合併し,難治性の潰瘍を形成したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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