icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

エトポシド少量内服療法が奏効した皮膚原発anaplastic large cell lymphomaの1例

著者: 鈴木有彦1 安積輝夫1

所属機関: 1国立名古屋病院皮膚科

ページ範囲:P.69 - P.71

文献購入ページに移動
要約 88歳,男性.2002年2月,右下肢の結節性紅斑様皮疹に気付き,近医を受診した.生検にて悪性リンパ腫が疑われ,当科を紹介された.初診時,右大腿から下腿内側に帯状,飛び石状に,径数cm程度の結節性紅斑様皮疹が多発していた.全身検索にて,特に有意な所見はなく,安静のみで腫瘤は軽度縮小傾向を示した.病理組織の免疫染色の結果より,皮膚原発のanaplastic large cell lymphomaと診断した.一般に,本症の治療としては,電子線照射や外科的切除,多剤併用の化学療法などが行われるが,患者は高齢で,病変は皮膚に限局,多発していたため,まずエトポシド単剤の少量内服療法を選択し,連日50mg/日内服を開始した.15日間を1クールとし,2クール投与にて,明らかな副作用もなく,皮疹は消退した.以降,1年半以上経過も明らかな再発所見もなく,順調に経過している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?