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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

肝細胞癌に対するcryosurgery後に,肝壊死組織が経表皮排泄された1例

著者: 秦洋郎1 横田浩一1 西江渉1 清水匡2 清水宏1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野 2北海道大学大学院医学研究科高次診断治療学専攻病態情報分野

ページ範囲:P.78 - P.80

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要約 73歳,女性.1987年よりC型慢性肝炎で加療,2002年1月肝左葉S2区域に径2.2×2.2cm大の肝細胞癌を発症した.2002年2月20日,肝細胞癌に対して経表皮的cryosurgeryが施行された.6月上旬,腹部の手術創に一致して中央から膿汁排泄を伴う赤色結節が2個出現した.膿汁の細菌培養は陰性であった.結節を含めた皮膚生検組織では腫瘍細胞は認められず,反応性の肉芽組織の像を呈した.腹部CT検査で肝左葉に境界明瞭な低吸収領域を認め,腫瘍細胞がcryosurgeryによって壊死した部分と考えられた.瘻孔造影を施行したところ,肝臓と皮膚との交通が確認された.以上の所見より,本症例は経表皮的cryosurgeryによって壊死した肝臓の組織がプローブを刺入した経路に沿って経表皮排泄されたものと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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