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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻1号

2005年01月発行

文献概要

症例報告

亜選択的動注化学療法により斑状色素沈着を生じた1例

著者: 藤本篤嗣1 田中京子1 山上淳1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.84 - P.86

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要約 32歳,男性.肝内胆管癌切除後に行っていた亜選択的動注化学療法中,右体幹に斑状に色素沈着が出現した.組織では表皮基底細胞の空胞化と個細胞壊死がみられ,組織学的色素失調も認めた.これらの所見から,大動脈に留置されていたカテーテルの先端から5-FUが右肋間動脈に流入し,その支配領域である右側腹部の皮膚に障害をきたし,結果として色素沈着を生じたと考えた.動注化学療法中に斑状の色素沈着,紅斑,びらんがみられた場合,早急に動脈造影を施行し,必要に応じてカテーテルの抜去,再挿入を考慮すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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