icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻10号

2005年09月発行

今月の症例

環状紅斑,紫斑を伴った横紋筋融解症の1例

著者: 吉田理恵1 木本雅之1 木花光1 小林みゆき2

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院内科

ページ範囲:P.951 - P.953

文献概要

要約

 75歳,男性.3年前より慢性腎不全にて当院内科に通院中であった.2日前より両下肢に自覚症状のない皮疹が出現し,同時に下肢の脱力を認め歩行困難となった.初診時,両下肢に同心円状に3~4cm径の紫斑とその周囲の環状紅斑よりなる皮疹が散在してみられ,両下肢に熱感,腫脹,脱力,筋把握痛があった.皮膚生検では,真皮浅層の毛細血管の拡張と,その周囲に赤血球の血管外漏出および炎症性細胞浸潤を認め,皮下脂肪織には出血がみられた.血中CPK1,983IU/l,ミオグロビン228ng/ml,尿中ミオグロビン168ng/mlと高値.以上より,横紋筋融解症と診断した.入院後,内服していた薬剤をすべて中止し,安静と補液にて皮疹および筋症状は2週間で軽快した.薬剤,なかでもアロプリノール(ザイロリック (R))により皮疹と横紋筋融解症が併発した症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら