文献詳細
今月の症例
環状紅斑,紫斑を伴った横紋筋融解症の1例
著者: 吉田理恵1 木本雅之1 木花光1 小林みゆき2
所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院内科
ページ範囲:P.951 - P.953
文献概要
75歳,男性.3年前より慢性腎不全にて当院内科に通院中であった.2日前より両下肢に自覚症状のない皮疹が出現し,同時に下肢の脱力を認め歩行困難となった.初診時,両下肢に同心円状に3~4cm径の紫斑とその周囲の環状紅斑よりなる皮疹が散在してみられ,両下肢に熱感,腫脹,脱力,筋把握痛があった.皮膚生検では,真皮浅層の毛細血管の拡張と,その周囲に赤血球の血管外漏出および炎症性細胞浸潤を認め,皮下脂肪織には出血がみられた.血中CPK1,983IU/l,ミオグロビン228ng/ml,尿中ミオグロビン168ng/mlと高値.以上より,横紋筋融解症と診断した.入院後,内服していた薬剤をすべて中止し,安静と補液にて皮疹および筋症状は2週間で軽快した.薬剤,なかでもアロプリノール(ザイロリック (R))により皮疹と横紋筋融解症が併発した症例と考えられた.
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