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症例報告
ニコチン貼布薬による接触皮膚炎の1例
著者: 清水彩1 上田周1 石橋睦子1 有川順子1 石黒直子1 川島眞1
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.958 - P.960
文献購入ページに移動72歳,男性.2003年4月6日より禁煙目的にてニコチン貼布薬(ニコチネルTTS (R))の30cm2貼布薬を開始したところ,貼布1日目より貼布部に一致した円形紅斑を認め,4月28日より全身に小型の紅斑と丘疹が拡大した.貼布部の円形紅斑と,自家感作性皮膚炎と考えた背部の紅斑の病理組織所見では,いずれも海綿状態と真皮上層の血管周囲にリンパ球,好酸球の浸潤を認めた.ステロイド薬外用と抗ヒスタミン薬内服により約2週間で皮疹は軽度の色素沈着を残し軽快した.成分別貼布試験にて,1%ニコチン水溶液は陰性であったが,5%,10%ニコチン水溶液で48時間後より72時間後にさらに増強する陽性反応を認め,7日後も紅斑が残ったことより,ニコチンによる遅延型アレルギー反応と考えた.
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