文献詳細
症例報告
環状扁平苔癬の1例
著者: 芳賀貴裕1 千葉修子1 松永純2 相場節也2
所属機関: 1米沢市立病院皮膚科 2東北大学大学院医学系研究科内科病態学皮膚科学分野
ページ範囲:P.964 - P.966
文献概要
66歳,女性.当科初診の約2か月前から,両前腕に痒みを伴う皮疹が出現した.臨床的にサルコイドーシスや環状肉芽腫,annular elastolytic giant cell granuloma,汗孔角化症などを考えたが,病理組織学的に苔癬型反応を呈しており,環状扁平苔癬と診断した.ステロイド外用を行ったが,当初はむしろ増悪傾向を示したので,強くすり込まないように指導したところ,皮疹は軽快した.Kbner現象を起こしていたものと考えられる.環状扁平苔癬は,扁平苔癬のなかでは比較的稀な病態であり,臨床像のみからの診断は困難である.その分類や特徴,分類の意義および鑑別診断に関して,過去の文献とともに考察を加えた.
掲載誌情報