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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻10号

2005年09月発行

文献概要

症例報告

多彩な皮膚症状および虹彩炎を合併した第2期梅毒の1例

著者: 田中摂子1 豊田愛子1 長谷川道子1 永井弥生1 田村敦志1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.971 - P.974

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要約

 61歳,男性.初診の1か月半前より発熱および両側手関節に淡紅色斑が出現した.初診時,全身に小豆大までの淡紅色斑,丘疹が播種し,両足底には大豆大までの鱗屑を付す赤銅色の紅斑が多発していた.背部丘疹の病理組織像では,真皮全層の血管周囲性に単核球を主体とする細胞浸潤と類上皮細胞からなる肉芽腫,足底の乾癬様皮疹の病理組織像では,真皮上層に帯状の細胞浸潤がみられた.両側鼠径リンパ節腫脹と左眼に虹彩炎があり,血清学的にはRPR64倍,TPHA10,240倍と陽性であった.バラ疹,梅毒性乾癬,虹彩炎を伴った第2期梅毒と診断し,アモキシシリン(サワシリン (R))内服で加療した.梅毒2期疹は,多彩な臨床症状および組織所見を呈することを念頭に置いて診断に当たることが必要と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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