文献詳細
症例報告
サルコイドーシスを合併した全身性強皮症の2例
著者: 畑佐知里1 市來善郎1 北島康雄1 安田憲生2 細川嘉彦2
所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室 2岐阜大学医学部第2内科学教室
ページ範囲:P.982 - P.985
文献概要
症例1:64歳,女性.1980年よりRaynaud現象,1987年より右足・両手指の腫脹,両下肺の軽度線維化が出現し,全身性強皮症(limited type)と診断した.1991年よりぶどう膜炎と,BHLおよびγグロブリン,ACE,リゾチームの上昇が認められ,サルコイドーシスと診断した.抗アレルギー薬内服,ステロイド外用,気管支拡張薬投与のみで軽快した.症例2:60歳,男性.1989年頃よりRaynaud現象,1992年より強指症,軽度手指拘縮,舌小帯短縮があり,皮膚生検も合わせて全身性強皮症(limited type)と診断した.1998年より労作時の軽い呼吸困難,胸部X線でBHL,下肺線維化,γグロブリン,およびACEの上昇,気管支鏡にて右上区入口・左上舌区部にnetwork formation,両眼に隅角結節・網膜血管炎がありサ症と診断した.プロサイリン投与で経過観察中である.現在皮膚の硬化・拘縮はかなり軽快した.
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