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症例報告
咽頭癌の治療により急速に皮疹が改善したmulticentric reticulohistiocytosis
著者: 岸本和裕1 柳堀浩克2
所属機関: 1竹田綜合病院皮膚科 2福島県立医科大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.986 - P.989
文献購入ページに移動76歳,男性.初診の9年前に食道癌の既往がある.2003年より後頸部,手指伸側の順に弾性硬の紅色結節が多発し,2か月後には全身の関節痛が出現した.病理組織学的に腫瘍細胞は真皮に結節状で密に浸潤しており,硝子様好酸性の細胞質を有する組織球様単核球および多核巨細胞から形成されていた.免疫染色にて浸潤細胞はCD68,リゾチームが陽性であったため,multicentric reticulohistiocytosisと診断した.全身検索にて自己免疫疾患の合併はなかったが,咽頭癌を合併していた.咽頭癌は化学療法と放射線療法にて寛解状態となり,それに伴い皮膚病変はほぼ消失した.関節症状は難治性であったが,メソトレキセートとプレドニゾロンの併用にて軽快した.
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